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設立に関するおもな改正点
1.会社の定義について
(1) 非公開会社と公開会社
非公開会社とは、定款において、発行する株式の全部に譲渡制限に関する事項が定められている会社のことです。
一方、公開会社とは、株式の全部又は一部(後記4.)に譲渡制限に関する事項が定められていない会社のことです。
(例) 100株の株式を発行する会社において、60株については譲渡制限に関する事項が定められ(注)、40株については定められていない場合、その会社は公開会社になります。
(注) 現に発行している株式が譲渡制限付株式のみであっても、定款に譲渡制限を付さない株式を発行する旨の定めがあれば、その株式会社は公開会社となります。
上記の例で、譲渡制限付株式60株のみを現に発行(非譲渡制限付株式40株はまだ発行していない)していた場合であっても、その株式会社は公開会社となります。
(100株を発行する会社の例) | |||||||||||
① 非公開会社 | 100株(譲渡制限株式) | ||||||||||
② 公開会社 | 100株(非譲渡制限株式) | ||||||||||
③ 公開会社 | 60株(譲渡制限株式) | 40株(非譲渡制限株式) |
(2) 大会社と中会社・小会社
会社法上の定義では、大会社とはつぎのいずれかに該当する株式会社です。
a.最終事業年度に係る貸借対照表に計上した資本金の額が5億円以上
b.最終事業年度に係る貸借対照表に計上した負債の部の合計額が200億円以上
一方、中会社・小会社というのは会社法ではとくに定義がありません。大会社の定義に該当しない株式会社のことを旧商法当時の規定※にならってそのように表現しています。
※ 小会社:資本金の額が1億円以下の会社、中会社:資本金の額が1億円超5億円未満の会社
大会社の例a 最終事業年度に係る貸借対照表 | 大会社の例b 最終事業年度に係る貸借対照表 | |||||||||||
(資産の部) | (負債の部) | (資産の部) | (負債の部) | |||||||||
@@@ | 6億円 | @@@ | 1億円 | @@@ | 201億円 | @@@ | 180億円 | |||||
@@@ | 20億円 | |||||||||||
(合計) | 1億円 | (合計) | 200億円 | |||||||||
(純資産の部) | (純資産の部) | |||||||||||
資本金 | 5億円 | 資本金 | 1億円 | |||||||||
(合計) | 5億円 | (合計) | 1億円 | |||||||||
(合計) | 6億円 | (合計) | 6億円 | (合計) | 201億円 | (合計) | 201億円 |
2.会社の種類
種類 | 責任*1 | 出資者 | 業務執行機関*2 | 備考 | |
株式会社 | 有限責任 | 株主 | 1名以上 | 取締役 |
会社所有者(出資者)と会社 経営者が分離している |
合同会社 | 有限責任 | 社員 | 1名以上 | 社員 |
会社所有者(出資者)と会社 経営者が同じ |
合名会社 | 無限責任 | 社員 | 1名以上 | 社員 |
会社所有者(出資者)と会社 経営者が同じ |
合資会社 |
有限責任 及び 無限責任 |
有限責任社員 及び 無限責任社員 |
各1名以上 | 社員 |
会社所有者(出資者)と会社 経営者が同じ |
有限会社 |
◎廃止 平成18年の会社法施行により、有限会社は廃止されましたので、以後、有限会社を設立する ことはできなくなりました。会社法施行時に存在する有限会社については、株式会社とみなさ れることとなりました。 ※なお、今後も会社名に『有限会社』の文字を使用することができます(特例有限会社)が、 会社法上の分類としては株式会社に属することになります。 |
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*1責任 有限責任 会社の債務について、会社の資産で完済することができないようなときでも、出資者自身 が責任を負うことはありません(出資した額までの責任で済む。)。 無限責任 会社の債務について、会社の資産で完済することができないようなときに、出資者は会社 債権者に対し、個人の資産により返済することになります。 *2業務執行機関 株式会社 委員会設置会社の業務執行機関は執行役になります。 合同会社・合名会社・合資会社 社員の中から業務執行社員を定めることができます。 |
3.資本金に関する事項
最低資本金制度が廃止されたため、資本金の額が1円から会社が設立できることになりました。
4.株式に関する事項
株式の種類ごとに、株式の譲渡制限に関する事項や配当金などに関して、内容の異なる株式(種類株式)を発行できるようになりました。
株式の譲渡制限に関する事項について、株式の種類ごとに定めたり定めなかったりすることができます。配当金について、ある種類の株式には多く、ある種類の株式には少なくするという内容にすることも可能です。
5.会社の機関に関する事項
取締役の人数や任期など一部緩和され、会計参与や会計監査人を新たに役員として選任することができるようになりました。
また、機関設計が大きく変わりました。株主総会と取締役以外の機関については株式会社の規模等により、いくつかの組合せの中から選択することができるようになりました。
6.類似商号の規定の廃止
類似商号の規定が廃止されたため、商号選択権の幅が広がりました。ただし、つぎの点に注意しなければなりません。
(1) 同一本店において同一の商号を登記することはできません。
(2) 不正の目的をもって他の会社の商号と誤認されるおそれのある商号を使用することはできません。
7.その他
発起設立の登記申請の場合、出資金については、従来の払込金保管証明書の代わりに、代表取締役が作成した払込証明書と預金通帳のコピーや残高証明書をホチキス等で綴じたもので足りることになりました。募集設立の場合は、従来どおり株式払込金保管証明書が必要になります。
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