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定款の作成と認証
定款とは会社の根本規則となるもので、すべての会社に必要となります。
定款は発起人が作成し、公証人の認証を受けなければなりません(この設立時の定款のことを『原始定款』といいます)。この公証人の認証を受けた定款は、会社の成立前は、一定の場合を除き、変更することができません。
1.定款の作成
定款は書面により作成したもののほか、電磁的記録によって作成された電子定款があります。
(1) 定款の作成者
発起人全員により定款を作成し、署名※又は記名押印(電子定款の場合は電子署名)をします。一定の要件のもと、代理人による作成も可能です。
※ 実務上は、定款認証時に公証人に対して印鑑証明書を提出するため、署名した場合でもさらに、実印を押印することになります。したがってここは、署名押印ということになります。
(2) 定款に記載する事項
(3) 作成
2.定款の認証
株式会社を設立する場合、必ず公証人による定款の認証を受けなければなりません。
書面の定款と電子定款とでは認証の手続きが異なります。また、電子定款の認証は指定公証人(電子公証を行うことを法務大臣から指定された公証人)のいる公証役場のみ対応しています。
(1) 管轄
定款の認証は、会社の本店の所在地を管轄している法務局又は地方法務局に所属している公証人が行います。管轄外の公証人から定款の認証を受けることはできません。
会社の所在地と同一都道府県内であれば他の市区町村の公証人からでも定款の認証を受けることができます。
(例) 千葉市で会社を設立する場合、市川市や船橋市など千葉県内の他の市区町村の公証人から定款認証を受けることができますが、隣接都県である東京都や茨城県などの公証人から定款認証を受けることはできません。
→ 参考サイト(日本公証人連合会):全国公証役場所在地一覧
(2) 申請者
① 書面の定款の場合
a.発起人(全員)
※ 公証役場に行くことができない発起人は、他の発起人又は第三者に委任しなければなりません。
b.発起人から委任を受けた者
② 電子定款の場合
a.発起人
※ 発起人が複数いる場合は、そのうちの1名です。これは、電子定款の場合、法務省のオンラインシステムを通じて申請しますが、複数名の電子署名(注)に対応していません。この場合、公証人による確認のため、申請者以外の発起人も後日、その公証人のもとに出頭する必要があります。
(注) 電子定款の場合、2回の電子署名をすることになります。1回目はPDF化した定款に対し、作成者として電子署名(書面の定款の作成者である発起人の押印に対応するもの)をします。そして、2回目はオンラインシステムに認識してもらうための申請者としての電子署名です。ここでいう電子署名は、この2回目の方です。
→ 参考サイト(法務省):
5 平成19年4月1日以降の電子公証制度の概要について Q19
b.発起人から委任を受けた者
(3) 定款認証費用
① 書面の定款の場合
a.認証手数料 50,000円
b.収入印紙 40,000円
c.謄本手数料 250円/1枚
(一般的な定款なら1通、1,000円~2,000円と思われます)
② 電子定款の場合
a.認証手数料 50,000円
b.収入印紙 0円 (※ 電子定款の場合は不要です)
c.電磁的記録の保存 300円
d.同一の情報の提供 700円/1通 に 20円/1枚 を加算
※ 書面(紙)で交付を受ける場合の謄本のことです。
(4) 持参書類、認証に関する手続き
3.認証後の定款の変更
公証人の認証を受けた定款は、会社成立時までは、次の場合によるほか、変更することができません。
(1) 以下の変更による場合、公証人より、再度の認証を受ける必要はありません。
① 裁判所の変更決定
a. 変態設立事項に関して、裁判所の変更決定があった場合、その変更決定により、定款変更の効力が生じます。
b. 変態設立事項に関して、裁判所の変更決定があった場合、その変更決定の確定後1週間以内に限り、変更決定により変更された事項について、発起人全員の同意により廃止することができます。
② 発行可能株式総数の設定又は変更
発起設立の場合は、発起人全員の同意により、設定又は変更することができます。
募集設立の場合、出資金の払込期日又は払込期間の初日以後は、創立総会の決議によらなければ変更することができません。その日までは発起人全員の同意により、設定又は変更することができます。つまり、発起人以外の出資者が生じる可能性が発生する日からは、発起人のみによる定款の変更はできないということになります。
③ 創立総会の決議
募集設立の場合、創立総会において、上記②の発行可能株式総数の設定又は変更以外の事項についても変更することが可能です。
(2) 上記(1)のほか、公証人より再度の認証を受けることにより定款を変更することができる場合があります。
発起設立の場合、定款の変更にかかる事項を明らかにし、発起人全員が署名又は記名し、押印した書面に、公証人の認証を受けることにより、会社の設立手続きを続行することができます。
この再度の認証の手続きに関しては、最初に認証を受けた公証人にお尋ねください。
※ なお、会社成立後の定款変更については、株主総会の決議等により変更することができ、公証人の認証を受ける必要はありません。
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