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設立時役員等の選任
1.設立時取締役等
発起設立の場合、発起人は出資の履行後遅滞なく、設立時取締役等の選任をします。
なお、定款で設立時取締役等を定めることができます。この場合、発起人の出資の履行が完了したときに設立時取締役等に選任されたものとみなされます。
※ 募集設立の場合、設立時取締役等の選任は創立総会で行います
(1) 選任
◎ 設立時取締役等を定款で定めていない場合、発起人が選任します |
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① |
定款で定める方法 |
→ 設立時取締役は、定款で定めることができます |
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設立登記申請の添付書類 → 定款 |
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② |
発起人の決議(発起人が1人の場合は、その1人の決定)による選任の方法 |
→ 発起人の議決権※の過半数により、これらの者を選任します |
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設立登記申請の添付書類 → 発起人の決議を証する発起人の過半数の一致があったことを証する書面 (発起人が1人の場合は、発起人の決定書) |
※ 発起人は引受けた設立時発行株式1株につき、1個の議決権を有します
ただし、定款に単元株式数を定めている場合には設立時発行株式1単元につき、1個の議決権を有することになります
(種類株式発行会社において、役員の選任に関する設立時種類株式を発行している場合はその内容に基づき、選任をすることになります)
(2) 選任する設立時取締役等
(3) 就任承諾
◎ 被選任者の就任承諾の意思表示が必要です |
※ 選任された設立時取締役等は、設立会社に対し、就任承諾の意思表示をすることにより、設立時取締役等に就任します 会社と役員の関係は委任関係に基づくものなので、選任行為に加えて、被選任者の就任承諾の意思表示が必要になります |
設立登記申請の添付書類 ⇒ 就任承諾書(印鑑については末尾参照) |
※ 定款で設立時取締役等を定めている場合、その者が発起人であれば、その定款には発起人としての押印(実印)があるので、その定款が就任承諾書を兼ねることになります |
ただし、電子定款の場合、設立登記の添付書類として別途、就任承諾書が必要になります これは電子定款には発起人の押印がなされないため、登記官が設立時取締役等の就任の意思表示を確認することができないためです |
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(4) 任期
任 期 |
公開会社 |
非公開会社 |
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短縮 |
伸長 |
短縮 |
伸長 |
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取締役 |
選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで |
○ (注1) |
× |
○ (注1) |
○ (注2) |
会計 参与 |
選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで |
○ (注1) |
× |
○ (注1) |
○ (注2) |
監査役 |
選任後4年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで |
× |
× |
× |
○ (注2) |
会計 監査人 |
選任後1年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで |
× |
× |
× |
× |
(注1) 定款や発起人の決議により、短縮することができます
(注2) 定款により、「選任後10年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで」伸長することができます
※ 一定の定款変更をする場合、任期の途中であっても、定款変更の効力が生じたときに任期が終了することがあります
2.設立時代表取締役
(1) 選定
◎ 取締役会を設置していない株式会社 |
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→ 代表取締役の選定が行われない場合は、各取締役が代表権を有することになります |
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① |
定款で定める方法 |
→ 設立時取締役とともに設立時代表取締役も定款で定めることができます |
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設立登記申請の添付書類 → 定款 |
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② |
発起人の決議(発起人が1人の場合は、その1人の決定)による選定の方法 |
→ 設立時取締役を選任した後、その設立時取締役の中から設立時代表取締役を選定します |
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設立登記申請の添付書類 → (発起人の決議を証する)発起人の過半数の一致があったことを証する書面(発起人が1人の場合は、発起人の決定書) |
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③ |
定款の規定に基づく取締役の互選による選定の方法 |
→ 定款に、設立時代表取締役を設立時取締役の互選により決定する旨の規定がある場合、設立時取締役の互選により、設立時代表取締役を選定することができます |
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設立登記申請の添付書類 → 定款と互選書 |
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④ |
各自代表の方法 |
→ 設立時代表取締役の選定が行われない場合は、各設立時取締役がそのまま設立時代表取締役になります |
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設立登記申請の添付書類 → 設立時代表取締役の選定を証する書面はありません |
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◎ 取締役会を設置している株式会社 |
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→ 設立時取締役による設立時代表取締役の選定決議(取締役会の決議)により代表取締役を選定します |
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① |
設立時代表取締役の選定決議の方法 |
→ 会社成立後は、取締役会の決議により代表取締役を選定しますが、会社の成立前にはまだ取締役及び取締役会が存在していないことになるので、設立時代表取締役の選定については、「取締役会」ではなく、「設立時取締役による設立時代表取締役の選定決議」によることになります この設立時代表取締役の選定決議は、設立時取締役の過半数により決定します |
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設立登記申請の添付書類 → 設立時代表取締役の選定決議書 |
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(2) 就任承諾
◎ 取締役会を設置していない株式会社 |
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① |
定款で設立時代表取締役を定めた場合 → 被選任者の就任承諾の意思表示は不要です(※なお、定款に(会社成立後の)代表取締役を取締役の互選で選定する旨の規定を置く会社が設立時代表取締役を定款で定めている場合は、設立時代表取締役の就任承諾を要します。) |
設立時取締役に就任する旨の承諾があれば、別途設立時代表取締役に就任する旨の承諾は必要ありません(※ただし、上段なお書きの場合を除く) |
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設立登記申請の添付書類 → 設立時代表取締役の就任承諾書の添付の必要はありません(※なお、定款に(会社成立後の)代表取締役を取締役の互選で選定する旨の規定を置く会社が設立時代表取締役を定款で定めている場合は、設立時代表取締役の就任承諾書が必要になります。) |
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② |
発起人の決議(発起人が1人の場合は、その1人の決定)により設立時代表取締役を選定した場合 → 被選任者の就任承諾の意思表示は不要です(※①なお書き参照) |
設立時取締役に就任する旨の承諾があれば、別途設立時代表取締役に就任する旨の承諾は必要ありません(※①ただし書き参照) |
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設立登記申請の添付書類 → 設立時代表取締役の就任承諾書の添付の必要はありません(※①なお書き参照) |
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③ |
定款の規定に基づく設立時取締役の互選により設立時代表取締役を選定した場合 → 被選任者の就任承諾の意思表示が必要です |
設立会社に対し、就任承諾の意思表示をすることにより設立時代表取締役に就任します |
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設立登記申請の添付書類 → 就任承諾書(印鑑については末尾参照) |
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④ |
各自代表の場合 → 就任承諾の意思表示は不要です |
設立時取締役に就任する旨の承諾があれば、別途設立時代表取締役に就任する旨の承諾は必要ありません |
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設立登記申請の添付書類 → 設立時代表取締役の就任承諾書の添付の必要はありません |
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◎ 取締役会を設置している株式会社 |
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① |
設立時代表取締役の選定決議により設立時代表取締役を選定した場合 → 被選任者の就任承諾の意思表示が必要です |
設立会社に対し、就任承諾の意思表示をすることにより設立時代表取締役に就任します |
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設立登記申請の添付書類 → 就任承諾書(印鑑については末尾参照) ※ 設立時代表取締役選定決議書に被選任者が就任承諾した旨の記載があり、その者の実印が押印してある場合は、この設立時代表取締役選定決議書が設立時代表取締役の就任承諾書を兼ねることになります |
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(3) 任期
会社法では、代表取締役の任期については、とくに定められていません |
→ 代表取締役の場合、取締役であることが前提になっていますので、取締役の資格を喪失すると代表取締役としても退任することになります |
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(4) 就任承諾を証する書面の印鑑
◎ 取締役会を設置していない場合 |
→ 設立時取締役の就任承諾書に、実印を押印します |
◎ 取締役会を設置している場合 |
→ 設立時代表取締役の就任承諾書に、実印を押印します |
※ 商業登記規則第61条第2項、3項参照
取締役会の設置・非設置によって、印鑑証明書の添付を要する就任承諾書が異なりますので、押印には注意が必要です
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